オチビサン展
去年の夏ぶりに鎌倉へ行きました。
ちょうど薔薇の時期だ!ということで、まず鎌倉文学館へいきました。
満開でした〜。薔薇園のところは本当に日差しが強くて、クラクラしてきそうだったのでパパッとみてすぐ、退散してしまいましたが…。鎌倉文学館は、周りの小道がとても好きです。
真夏でも涼しいです。
疲れたので喫茶店にいこう。と思い、私のiPhoneちゃんに記録してる、いきたいごはん屋さんリストを開いたら、鎌倉にもいくつかあって、ちょうど近くにいたこともあり、ミルクホールへ行きました。
アイスコーヒーが美味しい季節になりました。濃いアイスコーヒー、家でも淹れたいんですが、何を揃えればよいのでしょう。自家製プリンももちろん、すごく美味しかったです。くるみが乗ってました!
そしてあの日のメイン いちばんの目的。オチビサン展
新ゴジラやエヴァで有名な庵野秀明監督と、働きマンやさくらんで有名な漫画家の安野モヨコ。という、史上稀に見る最高な日本ならではのオタク夫婦がいるのですが。(知ってました?この2人、夫婦なんですよ!)
そのアンノ夫妻の鎌倉の邸宅で、展示会がある…ということで、無理やり時間を作って、行ってきました。♡
だって、実際のお家ですよ?普段は、その夫婦が、住んでいるんですよ?もちろん東京の方にも住居はあるようですが、それにしたって…庵野秀明監督(カントクくん)と安野モヨコ(ロンパース)の夫婦生活を安野モヨコ自身がコミカルに描いたエッセイ漫画「監督不行届 | MOYOCO ANNO」(コレ、本当におすすめです)で登場した、“昭和の和洋折衷の古民家” そこにファンである私が足を踏み入れられるって!なにそれ!そんな事、あっていいの?!って、もう大興奮でした。
鎌倉の木々の中で鳴く鶯。岩肌から吹いてくる冷涼な風。昭和30年代に建てられてから、何度か持ち主が変わり、その都度お手入れされながら今もなお生きている日本家屋。安野モヨコが選び抜いたであろう照明器具やソファ、鉱物、棚、テーブル、書物、床についたジャックの爪痕、木枠でできた窓や壁、暖炉、梁の至る所まで、私のときめきの対象でした。
そしてなにより、ひとつひとつ丁寧に作られたオチビサンとキモノガールズの原画。全部、全部、合わさって、何度も泣きそうになりました。
邸宅内は作品も含め全て撮影可能だったので、たくさん、たくさん撮ってきましたが、実際の繊細さや美しさは私が撮る写真なんかじゃ絶対伝わらないこと、撮っている最中から思っていましたが、やはり、です。。。
原画って、不思議なもので。みていると、フッと吸い込まれてしまうような感覚になって、その数秒後、じわっと視界が涙で滲む…という事があるんです。毎回では、ないのですけど。だから、心の琴線に触れる、とはこういう事なんだろうなぁと思います。思いもよらず、ぽろぽろと涙が溢れてくるの。不思議だね。
私は、先程ご紹介した「監督不行届 | MOYOCO ANNO」が大好きなのですが、その中でもずっと忘れられない言葉があります。庵野監督の、後書きの一節です。
著作権の問題上、載せてはいけない気がしています…ので、こういう感じのことを仰ってます、という書き方で失礼します…(それでもいいのだろうか…ダメだったらご指摘ください…すぐに消します…)
ウチの嫁さんは、気丈な女性のイメージを持たれがちですが、本当はものすごく繊細で脆く弱い人です。自分の過去や現状から「強さ」という鎧をまとわなければならなかっただけです。彼女の精神は毎日ギリギリのバランスなのだと感じます。だからこそ、自分の持てる仕事以外の時間を全て嫁さんに費やしたい、そう思って結婚をしたし、この先もずっと守っていきたいです。
なんて素敵なんだろう。と思います。きっと庵野監督もそういう、世間からだったり周りの大人からの何かしらのイメージを強く持たれていて“鎧をまとわなければいけない時”がある方なんじゃないかな?と思います。
おふたりとも、お互いを必要としていて、お互いを支えているんだな。と感じます。いつか私も、そんな関係を築けたら、どんなに素敵かなぁ。素敵な夫婦の、1つの形。いいなぁ。
すこやかな気持ちになって、アンノ邸から鎌倉駅までの道のりを帰りました。
素敵な日でした。